あれから一年。
私は昔みたいに笑えるようになった。
部活は合唱部に入って、今でも歌っている。
ほのかが聴いていてくれると思うから…。
みさきとは学年が変わって同じクラスになれた。
彼女は私にとって救世主(メシア)みたいなもの。
太陽みたいなものだった。
彼女がいなかったら、まだ私はほのかのことを引きずっていて、
本当の笑顔も、歌を歌うことも忘れていただろう。
彼女がいなければ、私はまだ闇の中をさ迷いながら、
ろうそくの火みたいに小さな光りを盾にしていただろう。
私の心を救ってくれたのは、ほのかじゃなくて、みさきなんだ・・・。
ほのかとは時々、みさきを通じて会話している。
ほのかのことを描いた絵も何枚かもらった。
そのうち、みさきが一枚を絵のコンクールに出したの。
そこで、いい賞をもらったんだって。
私は絵のコンクールのことはよくわからないけど、すごく嬉しかった。
ほのかの絵だから・・・。
みさきとは親友のようになった。
やっぱり、一番の親友はほのかだけど、
今、生きている人のなかだったら迷わずみさきをあげる。
みさきの前では本当に素直になれる。
ほのかが生きていたころの私に戻れる。
ありがとう・・・みさき・・・。
ほのかのことを忘れるなんて出来ない。
ほのかのことを思う私を忘れたくない。
この傷は消したくないんだ・・・。
天使や人魚が見えるほど純粋な心を持っているみさき。
天使であるあなたに会いたくないと言ったら嘘だけど、
あなたのことを思う私や傷を消したくない、汚れた心を捨てたくない・・・。
あなたのことを思って泣いていた時期も、私の大切なんだ・・・。
純粋な心・・・。
それはものすごくまれな人ならしい。
この世に天使とか人魚とか妖精なんていないと思っていた。
お伽話で、子供相手の話なんだと思っていた。
でも、それは違った。
見えない私には到底お伽話みたいなものだけど、見える人にとっては現実なんだ。
見えないものを信じることは難しい。
けれど、見えないからといって頭から否定することはしちゃいけないね。
だって、ほら、幽霊だって私は見えない。
見えない人は多いけど信じてる人もいるでしょう?
宇宙人は確認されていないけれど、信じている人はいるでしょう?
だから、天使も人魚も妖精もいると私は信じるわ・・・。
ほのか・・・あなたのことを信じるわ・・・。
汚れた心をだけれど、ほんの少しだけPureな所があるから・・・あなたを信じるわ。
ほのか・・・。
** Fin **
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