約一ヶ月半後。
真珠達から伝えられた日時。
二週間、人間界に行くことになった。
ちょうど、人間界はゴールデンウィークあたり。
「歌音、真珠さん達によろしくね」
「はい、母様」
「迷惑をかけるんじゃないよ」
「大丈夫ですわ、父様」
「行ってらっしゃい。歌音、湊」
「行ってきます!」
「行って参ります」
ついっとふたりで上へ上へと水を蹴った。
「うわ、変な気分だな」
「え?」
「上に向かってこんなに泳いだことない!」
「くすっ。わたしたちが目指すのはもっともっと上よ」
ぐんとスピードを上げて水面を目指す。
わくわくして、ドキドキして、初めて人間界に行くとき、色々考えたっけ・・・。
そして、ざっと水面を突き破った。
「ぷわっ」
ひやっとした風が頬をなでる。
水の中にいた者にとっては、風が冷たく感じる。
月光がキラキラと水面を照らして輝きを与えていた。
「う、わ、別世界・・・」
「ふふっ。別世界だもの。綺麗でしょ、海」
「え、あ、ああ・・・。空がある・・・すげー・・・」
「夜空は格別に綺麗だと思うわ。星が綺麗でしょう?」
「考えたことなかったな・・・空を見る、なんて・・・」
「歌音!湊さんっ」
岸の方から声がして、ふたりで振り向く。
そこには真珠・雫・春樹がいた。
ついっと岸の方まで泳いでいく。
「こんばんは、真珠、雫、春樹」
「こんばんは、歌音、湊さん」
「ようこそ、人間界へ」
雫のその言葉ににっこりと笑い合う。
わたしが来たときも、そう言ってくれたわね。
「おーい」
「あれ?時間間違った?」
真珠達の背後からふたつの声がした。
この声・・・!
「透也、連斗!時間通りよ」
「透也君!連斗君!」
その言葉に、一瞬湊が反応した。
あ、そっか・・・。
透也君のこと・・・知ってるものね・・・。
「真珠、なんで透也君達が?」
「あら、男性を相手にするのに女子が接するわけにはいかないでしょう?」
「助っ人よ。春樹さんひとりで出来ればいいんだけど、さすがに・・・ね」
「女の子なら抱えてあげられるんだけどな」
くすくす笑って春樹が言った。
湊のこと、考えてくれてたんだね・・・。
「よっ、歌音」
「こんばんは、歌音」
「こんばんは透也君、連斗君。わざわざごめんなさい」
「いいよ。俺たちも結婚式実行委員みたいなもんだし」
「そうそう、気にしないで」
ざばっと陸に上がる。
ここに座るのも久しぶり。
ぽたぽたと髪から水がしたたり落ちる。
「はい、タオル」
「あ、ありがとっ」
ばさっと真珠がわたしにバスタオルをかけた。
全身の水気をさっと拭き取る。
長く伸びた髪は、やっぱり人間界ではやっかいね・・・。
「ワンピース、着てね。あ、その真珠!なんか久しぶりに見るわー」
「と言っても、前回来たのって1年ちょっと前じゃない?」
「ええ、そうよ」
ごそごそと渡されたワンピースに袖を通して、ぱっと尾ひれを脚へと変えた。
「わっとっと!」
久しぶりの感覚にむずむずした。
「ほら、つかまれよ」
「あ、ありがとう透也君。お手数かけます」
「いえいえ」
すっと差し出された手を取って、勢いをつけて立ち上がった。
まだよろける。
「やっぱり久しぶりだと大変」
「前に来たときはちゃんと歩いてたじゃないか」
「それは、その三日前に来て、ちゃんと練習してるのっ」
「なーるほど。ほら、しっかり立てって」
「え、ええ。あ、湊も上がって」
「あ、ああ」
ぽつんと海に取り残された湊に声をかける。
ここにはわたしの知った人ばかりだけれど、湊からすれば初対面の人も多い。
ざばっと湊がわたしがいた場所に上がった。
「はい、湊さん。よーく拭いてね」
「ありがとう」
湊が雫からタオルを受け取って、身体を拭き始めた。
「ねえ、どうやって湊を運ぶの?」
春樹に問いかける。
「簡単。コレに入れて運ぶ」
春樹が指さした先には、小さなゴムボートがあった。
空気でふくらませる、ごく普通に売っているゴムボート。
コレに入れて運ぶ?
「男手3人でやっと、ってとこだろ、これなら。真珠を手に入れなきゃ、脚になれないし、隠すにはちょうど良い」
「そうね。さすが春樹ね。思いもつかなかった」
「歌音はそーゆーの、うといからな」
「もう」
「歌音の例を考えると、やっぱ軽いのかな・・・。でも男じゃ歌音ほどは軽くないか・・・?」
春樹がぶつぶつとつぶやいた。
そう言えば、初めて来たとき、わたしを抱きかかえて“軽い”って言ってたわね・・・。
何だかその時のことが懐かしかった。
「軽い?」
「え、ああ、歌音ってめちゃくちゃ軽いんだよ。嘘だと思うなら抱き上げてみ?」
「マジ?」
じっと透也君がわたしを見た。
「わたしにはわからないわ。だって自分じゃ自分を持ち上げられないもの。確かめてみる?」
「よっ」
ひょいっと透也君がわたしの腰を持ち上げた。
ふわりと足の感覚がなくなる。
「う、わ、マジだ。軽っ」
すとん、と一瞬で地面へと戻される。
「まぁ、歌音は見た目も細いし、軽くても違和感ないんじゃない?」
「いやいや、違和感あるくらい軽いんだってば、連斗」
「へぇ・・・。じゃ、彼も軽いことを願うよ」
くすっと連斗君が笑っていった。
湊は春樹に従ってゴムボートへと移ったところだった。
人間界の不便さに四苦八苦したよう。
「海の中がいかに自由か、よくわかった気がする」
「でしょう?人間界って不便なことが多いのよ」
「さ!長居は無用!行きましょっ」
真珠がきりっと声をかけた。
春樹・透也君・連斗君の3人がゴムボートについている取っ手を持って、ひょいと持ち上げた。
湊のしっぽあたりに、雫がばさっとバスタオルをかける。
「なるほど、男一人乗せてるにしては軽すぎるな」
「重いよりはいいだろ」
「すみません、わざわざ」
「あはは!敬語はナシにしようぜ。えーっと・・・」
「湊。呼び捨てでいい」
「湊。じゃ、俺のことも透也でいいよ。こっちは連斗」
「よろしく、湊」
「オレは春樹。よろしくな」
ざくざくとわたしたちの前を歩きながら、そう話しているのが聞こえた。
やっぱり、男同士でよかったのかもね。
「歌音、大丈夫?」
「へ?あ、ええ、大丈夫よ。ちょっと、砂に、手こずるけどっ」
「裸足なんだから気をつけてよー?」
「はーい、雫」
そうして車までたどり着き、透也君の運転する車にわたしと真珠と雫、春樹の運転する車に連斗君と湊が乗り込んだ。
真珠の道案内に従って透也君が車を進める。
そして、数年前に来た、あの小屋にたどり着いた。
ガラッと戸を開ける。
「おばーちゃん、こんばんはー」
「おやおや、いらっしゃい。早かったじゃないか」
「こんばんは」
「おお、歌音。久しぶりだね」
「ええ、お久しぶりです」
おばあさんと視線を合わせてにっこりと笑い合った。
記憶力が良いのはやっぱり人魚だからなのかしら。
もう7年も昔なのに、おばあさんはほとんど歳を取った印象がなかった。
「で、今回の子はその子だね?」
くるりとおばあさんがわたしから視線を移して言った。
「ふむ。男性をあそこまで運べと言うには、ちと無理があるかな」
ついっとおばあさんが水槽を見た。
わたしも入ったことのある水槽。
人一人が余裕で入れる。
「おまえさん名前は?」
「湊です」
ぺらっとバスタオルをどけながらおばあさんが湊をまじまじと見て言った。
「なーるほど・・・歌音に湊・・・。おまえさんが有名な王女様の恋人か」
「なっ」
「人間界に住んでるからって、海の世界のことを知らないと思ったら大間違いだよ」
「・・・・・・」
はっはっはと笑いながらおばあさんが言った。
「綺麗なアクアブルーだね。さて、湊。あれは持ってきたかい?」
「え、あ、はい。これですよね」
とん、と湊がおばあさんに小さな袋を手渡した。
そう、中身は“人魚の涙”。
「そうそう。これだけあれば充分。ちょっと待ってなさい」
そう言うと、おばあさんは店の奥へと消えていった。
「・・・・・・まっさか人魚のための真珠屋さんがあるとは思わなかったなぁ」
「すっげー・・・世の中甘く見てたぜ・・・」
「ところで、人魚の涙って海の世界でもできるの?」
「ええ、本当に貴重なんだけれどね。小さな頃から、自分の“人魚の涙”は保管しておくっていう習慣があるのよ」
「それを差し出していいのかよ」
「あれがないと脚になれないし。仕方がないわ」
透也君と連斗君が興味深げにきょろきょろと辺りを見回した。
湊はぽかんとしている。
「湊、大丈夫?」
「え、ああ。なんか、世界が違いすぎて驚いてるだけ」
「そうね・・・確かに、わたしも驚いたけど・・・留学だから気持ちの面では準備出来てたから、そうでもなかったと思うわ」
「歌音は昔から冒険好きだったしなぁ」
「好奇心旺盛と言って欲しいわ」
「同じ事じゃないか。付き合わされるこっちはハラハラしたって」
くすくすと笑い合う。
そうね、王女様に怪我させたりしたら大変だなんて、周りの人によく言われてたわね。
「ところで・・・」
ギシっと床を鳴らして、おばあさんが戻ってきた。
「なんだって、人間界留学期間じゃないのに人魚がこっちに来てるんだい?」
にっこりとそう言ったおばあさんの言葉に、一瞬、全員が言葉を失った。
「え、あ、そっか・・・混血じゃない人魚がくるなんて・・・おかしいわよね」
「あはは、理由話してませんでしたっけ?」
「聞いてないねぇ」
「実は、湊は歌音の婚約者なんですよ」
「おや、それはそれは」
少し、驚いたような声をおばあさんが上げた。
まだ海の世界では婚約発表をしていない。
この人間界への“旅行”期間が終わったら行うことになってるから・・・。
いくらおばあさんが海のことを知っていても、わたしたちの事を知るはずがない。
「私たちで人間界で結婚式をやろうって計画をしたから、来てもらったんです」
「なるほどね・・・それはおめでたいこと。ということは、指輪は左薬指じゃない方がいいね?」
「へ?」
おばあさんの言葉に、思わず自分の左薬指を見た。
そこには、海への忠誠を誓った、青い宝石の指輪が光っている。
そっか・・・人間界では左薬指はそういう意味があるんだったわね・・・。
海輝が結婚式で“指輪交換”してたっけ。
「あ、そうですね・・・でも、そんなことして平気なの?」
「なーに、右手でも大丈夫。トゥリングもしておいた方がいいけどね。
ほら湊、これを右手の薬指にはめなさい。歌音、ここにお座り」
「え、あ、はい」
おばあさんに指定された場所に座る。
そして、おばあさんは湊に指輪を渡し、わたしにも指輪を差し出した。
「?わたし、もう持ってますよ?」
「もう古くなってしまっただろう?それに、これなら型が同じだから、していても怪しまれないからね」
「同じ?」
「湊と、って意味さ」
「あ、ありがとうございます」
ついっと左薬指から指輪を抜いて、おばあさんに返す。
その瞬間、二本の脚がしっぽへと変わる。
「わわっ!びっくりしたー」
「なるほど、それで指輪がなきゃダメっていうことか・・・」
透也君と連斗君がわたしを見て声を上げた。
そのふたりを見て、雫と真珠がくすくすと笑った。
この場にいる、本物の人間はふたりきりだものね。
何もかも、知らなくて当たり前だもの。
「やっかいな指輪だなー」
「あら、でもなくちゃわたしたちは地上では歩けないわ」
きゅっと右手薬指に新しい指輪をする。
湊もそれに従った。
「ねえ、おばーちゃん。男の人もネックレスなの?」
雫が言った。
「春樹はネックレスだっけ?」
「オレは3つだけだから、鎖に通してるけど」
そう言って、シャツに隠れていた鎖をシャラッと表に出した。
そこにはグリーンパールが3粒光っている。
男の人が、パールのネックレスをしているのは…やっぱりおかしいわよね…。
春樹みたいに数粒ですむのならいいけれど・・・。
「あたしたちは歌音と同じくらいだし・・・」
「第一、女だからね」
胸元に光るパールのネックレスを真珠と雫がお互いに見た。
夏場は薄着だから、ネックレスが隠れることはほとんどない。
「えっ、何、どーゆーこと?」
「おやおや、そこのお二人さんは何にも知らないんだね」
「二人はただの人間ですから」
「た、ただの人間って真珠・・・」
「だって、ここの割合を考えたら、圧倒的に人魚の勝ちよ」
「そうだな。二人だけだもんな、純人間は」
「マジかよっ・・・俺の周りはいつからメルヘンな世界になったんだ・・・?」
「ずーっとよ?言ってないだけ。あたしも、雫も、春樹も、混血だけど人魚。あと、あくあもね」
「あはは!人間の方が少ない空間なんて滅多にこれるもんじゃないな。なぁ、透也」
「連斗・・・優雅に笑ってるなよ・・・」
「だって、もうどうしようもないじゃないか。人魚はいる。認めてるんだから」
「そりゃーそーだけどさー・・・。まぁ、いいか」
「さーて、湊の真珠だけどね・・・」
シャラッとおばあさんが取り出した。
「ブレスレットにしといたよ。さすがに、
男性が真珠のネックレスを着けるのはおかしいからねぇ。女の子はいいんだけど」
「ネックレスよりも数が少なくなりませんか?」
「だから、宝石をひとつ多く付けてあるんだよ、歌音」
キラキラとブルーに光る真珠と人魚の涙、そして濃いブルーの宝石がふたつ輝いていた。
湊が赤やピンクのしっぽの持ち主じゃなくてよかったわ・・・。
このくらいのアクセサリーなら、人間でもしている人は多いと記憶するから。
ピンクや赤の真珠を付けてる人は見たことがないから・・・。
「何があっても外さないこと。さっきの歌音を見てればわかると思うが、
どちらか一方がなくなると人間の姿は保てないからね。気をつけること」
「はい」
おばあさんが湊の左手にブレスレットを着けた。
「さ、準備は出来た。次はコレを着て」
「な、ん、ですか?それ」
「浴衣だよ。しっぽのあるやつに、ズボンは履かせられないからね」
「なーるほど!女の子はワンピースでもいいけど、男子はそうはいかないもんね」
「これ、着方・・・とか・・・」
「男性陣、手伝っておやり」
「はいはい」
連斗君がおばあさんから浴衣を受け取る。
ばさっと広げると、春樹と手際よく湊に着せていく。
浴衣って確か、着るのがちょっと難しい服なのよね・・・。
でも、とっても可愛くて、見てるだけでも素敵だなって思った。
男性用は女性用より、なんていうか・・・可愛くないけど。
「はい、完了」
「ありがとう、連斗、春樹、透也」
「さーて、あとは簡単。脚をイメージして」
「イメージするだけ?」
「そう。人間の姿へと願うだけでいい」
「・・・・・・わわっ」
ぱっと青いしっぽが二本の脚になった。
「う、わ、すご・・・」
「上手い上手い。そこのお二人さん、肩を貸しておやり」
「え?」
「歌音は無理そうだったけど、彼はちょいと練習すれば歩けるようになりそうだからね」
「な、おばあさん、それってどういう意味?」
「ほっほっほ、四番目の王女様は運動が苦手だって情報が前からあったからね」
「もーう・・・事実だけど・・・王女っていう身分だけでそんなことまで・・・」
「そんなものさ。ほら、湊はもう立ち上がっただろう?」
「え、あ、ほんと・・・」
「あはは、歌音はどのくらいかかったの?」
「・・・ちゃんと歩けるまで二日はかかったわ」
「なるほど。さすが歌音だ」
「どういう意味よ、湊〜」
「そのまんま!」
連斗君と透也君の肩を借りて、湊が少しよろけながら立ち上がった。
わたしも立ち上がる。
わわ・・・驚いた・・・意外と背・・・高い・・・。
いつも目線の高さなんて関係ない海の世界。
湊の顔がわたしより上にあることが、妙に変に思えた。
「おまえ、意外と背高いな」
「背って、なんか関係あるのか?」
「特に支障はないけど、服のサイズとかあるし。170センチは余裕で越えてるな」
「あはは。歌音が下にいる。変な感じだな」
「そうね。わたしだって湊の顔が上にあるのが変な感じよ。海の中は関係ないものね」
「人間界って色々不便だなー」
「便利な部分もたくさんあるのよー湊。驚くほどね!」
「真珠の言うとおりよ。驚いちゃうかも」
「ははっ、楽しみにしてる」
一歩、二歩と歩みを進めながら湊が言った。
うーん・・・わたし、よろよろ歩くのにも1日かかったのに・・・。
やっぱり運動神経の違いかしら?
「おばーちゃん、ありがとう。夜中にごめんね」
「いいよ、慣れてるし。歌音の婚約者様とあれば、会えてよかったしね。そうだ、いいことを教えてあげよう」
「?」
「人魚の涙の意味だよ」
「意味?それって変身するのに必要だっていう・・・」
「海の世界での意味だよ。人魚の涙は愛の証と言われているんだよ。
お互いの涙を交換してアクセサリーにしている恋人も少なくない」
「へぇ・・・!」
「素敵ね」
「ということで、これを持っておゆき」
ぽんっとおばあさんが真珠にふたつの袋を手渡した。
「なあに?コレ」
「湊と歌音の人魚の涙の余りだよ」
「えっ!?」
「わたしのも?」
「歌音は泣き虫だったようだからね。まだ余ってるんだよ」
「あはは、歌音が泣き虫なのはアタリですよ」
「湊っ」
「青いヒモが湊、赤いヒモが歌音のだ。結婚式やるんだろう?何か役立つだろう」
「わぁ、ありがとう、おばーちゃんっ」
「素敵なこと聞いちゃった!」
「エンゲージリングとか、よさそうよねっ」
「はいはい、わかったからこの扉、開けてくれない?」
コンコンと床を踏みならして連斗君が言った。
「あ、ごめん。じゃあ、えっと、おやすみなさい、おばーちゃん!」
「はいはい、おやすみ。気をつけて帰るんだよ」
「はーい」
そうして、みんなで小屋を後にした。
うーん・・・やっぱり、わたしの運動神経が悪いのね・・・。
湊はもう、つかまりながらでも歩けるなんて・・・。
そうして、真珠の家まで行って、透也君・連斗君・春樹・雫と別れた。
真珠の家では真珠のお父様である俊彦さんと、お母様である真奈さんが出迎えてくれた。
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